ザ・業界人
     
第76回
佐藤 博氏
日本中古車輸出業協同組合 理事長





















 ロシア向け中古車輸出の勢いが凄まじい。6、7月に輸出仕向国トップに躍り出ただけでなく、8月には2万台を超えてきた。バブルまっただ中のロシアについて、佐藤理事長に聞いてみた。


「ロシアの中古車バブルは、新車が行かなくなったことがもちろん大きな要因だ。各国の経済制裁によって、結果的に伸びている。
 このため、ロシア向けの船賃の高騰が止まらない。コロナ前は台あたり250ドル程度だったが、今は1300ドルまで上がった。運賃というのは完全に需要と供給のバランスということが分かる。

 現在、ロシア向けの港は日本海側ではどこも溢れていて、その影響は北海道までおよんでいる。典型的なのは小樽港で、500台規模でずっと安定していたが3倍まで増えた。これまで見たことのない出来事が起きている。
 ただ、意外にも日本のロシア向け事業者はそれほど多くない。当組合の組合員でも限られている。ロシア向けの商売はロシア語ができなければ成り立たず、簡単にはいかないというのが実感だ。

 今後については、先行きはまったく分からない。ひとつのヒントは、ルーブルが下がればおかしくなるということ。その時は、バブルの終わりが近いとみて良いだろう」。


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