６月24日にシーエーエー（ＣＡＡ）の新たな代表取締役社長に就任した斉藤啓太氏。翌週には業界マスコミに、新社長が注力することや、今後めざしていく企業の姿などを語った。

Ｑ．最初に社長就任の抱負、基本方針は
「全部で３つあって、まず一つが『感謝』。会員はもちろんのこと従業員、パート、アルバイト、関連会社など、様々な力が積み重なってオークション（以下、ＡＡ）が開催できる。皆様に感謝の気持ちをもち、常にそれを忘れてはならない、ということ。
　そして次が『挑戦』。これからの厳しい環境を見据えると、もっとチャレンジをしないといけない。それと最後が『貢献』だ。会社は利益追求だけでは長続きしない。カーボンニュートラルに代表する環境にも貢献していく。以上の３つの気持ちをもって取り組んでいく」

Ｑ．ＡＡ業界の印象は
「２０１０年から３年間、トヨタユーゼックに出向していたが、それから10年経っても意外と変わっていないな、というのが率直な感想。そう考えると、当時、ＡＡを始めた方々の時代を先取りしたビジネスモデルはすごいと思う。そうした先人をリスペクトする一方で、これからは時代の変化についていかないといけない、という複雑な思いがしている」

Ｑ．このＡＡ業界の中でＣＡＡのオークションについては
「質にこだわったＡＡを着実に運営してきた、と思っている。高い成約率をみると、質の向上に取り組んできた成果が、しっかりと表われている。
　加えて、『オークションプラスαへの挑戦』を掲げ、まずは商品化にチャレンジしているが、単なるＡＡでの取引きだけでなく、そこへいかに付加価値を付けるかに着実に取り組んでいるな、と感じた」

Ｑ．今後ＡＡではどのようなことを重視したいか
「質の高さはＣＡＡの特長として活かし続けながら、これからの厳しい環境の中でどう戦って、どのように出品台数を伸ばしていくのかを追求できればと思う。
　それと、ＡＡに限ったことではないが、お客様のニーズにしっかり対応することが重要だ。お客様のニーズや期待は時代の変化で少しずつ変わっているので、いま実際に困っていること、期待していることに、しっかり対応できるようにしないといけない」

Ｑ．そうしたニーズをくみ取るためには
「コロナ禍によって、会員との接点が減少していたので、全員営業で改めてコミュニケーションをしっかりと取って、ニーズや困り事を把握してく。また、社内でも同様にコミュニケーションを重視。社員だけでなく、パート・アルバイトの方々の声にもしっかりと耳を傾けていきたい」

Ｑ．グループ４会場の方向性について
「いま各会場の特長を見ているところだが、大きな考え方としては、それぞれの地域のニーズに合ったＡＡをしっかりとやっていく。地域の会員に喜んでもらえるＡＡ。そこをめざしていきたい」

Ｑ．今後、４会場以外の展開はあるのか
「いま現在で具体案はとくにないが、可能性ある領域には積極的に挑戦していきたいと思っている。これからもこの４会場だけで粛々と、というのではなくて、臨機応変に可能性があればチャレンジしていく、という姿勢で戦っていきたい。そう考えている」

Ｑ．では、今度はシーエーエーという会社において、社長の役割をどう考えているか
「まずは会社がめざすべき方向をしっかりと示すことが社長の役割。そして、その方向性を各自の仕事に置き換え、それをイメージしながら道しるべとして、各自が考えて行動するという流れにもっていきたい。
　もう一つは、繰り返しとなるが、毎週、ＡＡを開催させていただいていることへの感謝。それを全員にしっかりと意識してもらう。これらがまず社長がすべきことだと思っている」

Ｑ．社員にはどのようなことを話したのか
「６月末に全社員に対して自分の想いとめざすところを話した。めざすものは３点で、１つ目がこの業界を牽引するくらいの気概を持って、新たな領域にチャレンジし、ＣＡＡの存在価値、ブランド価値を高めること。
　２つ目が、ＣＡＡに係わるすべての人を幸せにする。ステイクホルダーの役に立ち、幸せにしていくことをめざす。そして３つ目は、中古車の価値を高め、リユースを拡大することによって１台の車を使い切る。それによって環境や世の中に貢献していく。この３つを話した」

Ｑ．社長自身が何か意識していることや、重視していることがあれば
「思い立ったら行動、ということ。色々と悩んで行動しないのでは、この激動の時代で取り残されてしまう。躊躇するよりは即実行、という意識を強く持っている。
　それともう一つは、コミュニケーション。仕事を回す上ではとにかく大事なことで、社員には『コミュニケーションの量と質を高めましょう、これだけは意識してください』というお願いをした」

Ｑ．最後に趣味は
「ゴルフ、海釣り、デイキャンプ。ゴルフのスコアは、すべてアプリに登録しているが、面白いもので、年間アベレージが99から１００で安定している」


〈プロフィール〉昭和43年２月生まれ、神奈川県出身の54歳。平成２年４月にトヨタ自動車入社。平成22年にはトヨタユーゼックに出向し、執行役員営業統括部長兼業販部長に。また、平成25年からはトヨタ自動車のトヨペット店営業部、国内サービス部を経て、平成31年に国内営業部レクサスＰＴプロジェクトリーダー、令和３年に国内営業部近畿営業部長に就任。今年１月にはシーエーエーに出向。営業本部顧問に就いていた。