2004年設立の後発企業でありながら、レンタカー業界6位の保有台数まで成長を遂げたのがJ-ウィングレンタリース株式会社だ。同社は、「スカイレンタカー」と「ウィングレンタカー」という2つのブランドを全国展開しており、新車ディーラーの加盟も多いことが特色のひとつ。今年4月に専務から社長に昇格した武井英一氏にインタビューした。
レンタカー業界の展望は 「コロナ禍で一時的な影響を受けているものの、レンタカー業界は成長産業だ。車は所有から使用へ、さらに共有へと変化している。これを裏付けるように、レンタカー登録台数はここ10年間で1.8倍まで拡大した。当チェーンの加盟店では、本業の新・中古車販売に次ぐ経営の柱になっている」
レンタカーチェーンについて 「当社は04年に設立した新しいレンタカー運営会社だ。後発だけに、大手レンタカーとは異なる特徴やシステムを持っている。加盟店は、そこにメリットを見出してくれた新車ディーラーや大手中古車販売店を中心に、全国154社まで拡大してきた」
加盟が増えている要因は 「まず挙げられるのは運営コストの安さだ。大手のレンタカーブランドのように、売上に対するロイヤリティが一切掛からない。初期コストも100万円の加盟料と、台当たり3万円の配備保証金のみ。この保証金はレンタアップの際に返金する。月額では配備料が必要だが、これも低価格に抑えているのが特徴だ」
配備料の内容は 「配備料のなかで、自動車保険料の占める割合は大きいもの。当チェーンでは業界トップクラスの保険優割率を確保しており、大幅な低廉化を実現した。このため、他のレンタカーブランドではほとんど付帯していない車両保険まで含めることができ、結果的に加盟店の経営の安定化にもつながっている」
加盟店に新車ディーラーが多い 「メーカー系ブランドと異なり、多様なメーカーの車種が導入出来ることがひとつ。加えて法人向けのレンタカー活用ノウハウを持っていることも強みになっていると思う」
レンタアップ後の取り扱いにも特徴が 「配備満了後の処理については、加盟店が定めた残価で引き取れるようにしている。これも当チェーンの特徴のひとつだ。加盟店は中古車として販売し、売却益を得ることが出来る」
ユーザーへのプロモーション展開について 「楽天トラベルやじゃらん、JALなど複数の大手ポータルサイトと提携している。3年前にはレンタカー業界で初めて楽天ポイントを用いた会員制度を構築し、加盟店への多大な送客を実現した。楽天トラベルでは九州地区で売上1位、沖縄で3位を記録した」
今後の展開は 「スマホ完結型の『スカイレンタカースマートサービス』を開始する。これはユーザーが登録から予約、決済、解錠・施錠まですべてスマホで出来るサービスだ。このため加盟店の業務負荷と、人件費などの固定費をかなり軽減出来る。なおかつ、運用にあたって必要なスマートキー関連の装備も、小さい箱を車内にひとつ付けるだけなので手間が掛からず、レンタアップ後の売却もしやすいという長所がある。当ブランドの優位性のひとつとして、本格的に展開していきたい」
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