ザ・業界人
     
第83回
柏原 隆宏氏
株式会社ベイオーク 代表取締役

























 ベイオークの新社長に柏原隆宏氏が就任した。前身の大阪南港中古自動車協同組合が、第1回AAを開催したのは46年前。オークション事業を法人化してからも19年目を数える。今回、その歴史ある会場が若返りを図り、51歳のトップが誕生した。オークション業界は毎年、前年とは異なる動向を示す激動の最中にあって、どんな舵取りをしていくのか。柏原氏にインタビューした。


新社長に就任して
「私は21年前に異業種から株式会社ロードカーに入社し、新・中古車の小売りや買取りなどをやってきたので、車屋関連の仕事は熟知しているつもりだ。オークションの仕事は出品、落札は慣れているが、運営面はこれから勉強していきたい。そこは謙虚に受け止めている」

取り組みたいことは
「まずは情報収集だ。当会場には、オークションのことに熟知している社員が沢山いるので彼ら、彼女らから意見をいただきたい。会員が何を求めているのか、自分達はそれに対してどういうアイデアを持っているのか。そういった意見が私まで上がってくるような、風通しの良い仕組みをつくろうと思う」

情報に対して関心が高い
「今は情報の時代。それには社内だけではダメだ。ベイオークは、これまでの長い歴史があるため、良くも悪くも独自のことだけになっていた部分があるかも知れない。もっと世間を知って、良いところを柔軟に採り入れ、悪いと思われるところは改善していく必要がある。私自身も訪問に出掛けて『足』で情報を稼ぎ、集めて、分析していこうと思っている。

会場運営に関して
「ベイオークはずっと『お客様第一主義』を理念として追求してきた。ただ、これは経営者の立場で言えば、商売として当たり前のこと。今後はこれにプラスして、本当に価値のあるCS向上に力を入れていくとともに『顧客創造』をテーマに掲げる。お客様の数は、事業の拡充に絶対に必要な要素なので、もっともっと増やしていきたい」

具体的な施策は
「鮮度の高い出品車構成と質の高い検査体制、そして接客など、会員に評価をいただいている部分にはもっと注力したい。同時に、出品ブロック編成やクレーム対応など、現状が最善と思わずに固定観念を排除して改善していく」

最後に目標は
「今年度は出品6万5000台、平均1300台に目標を策定した。これは昨年度の約1・3倍の実績だ。これを実現できるかどうか、成功の答えは会員のなかにあると思っている」

《プロフィール》
1972年6月生まれ。大阪府泉佐野市出身。03年5月ロードカー入社。09年9月東京ユーポス代表取締役。10年6月ロードカー代表取締役。13年5月ユーポス代表取締役。21年8月ARTS代表取締役。23年5月ベイオーク取締役。24年4月同代表取締役に就任。趣味は月数回の魚釣り。


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