ザ・業界人
     
第58回
中谷圭吾氏
UcarPAC 株式会社 代表取締役
























 ユーカーパックがこのほど、業者間オークションを大幅にリニューアル。本格的にサービスを開始した。元々、ユーザーの愛車を業者が競るCtoBオークションを展開していたが、取扱い規模の拡大にともなって、業者間オークション開催へのニーズが高まったという。中谷社長にインタビューした。


「月曜日はユーカーパックの日に」


――事業開始からの歩みは
中谷社長(以下、敬称略)ちょうど3年前に、ユーザーの売却希望車を査定して、事業者会員がセリを行なう「UcarBID」をスタートした。いわゆる買取りオークションとも呼ばれるものだ。その後、事業者会員の増加にともなって共有在庫のワンプライスサービスなどを始め、今年2月に業者間AA「ユーカーオークション」をリニューアルした。

――業者間AAの改良点は
中谷 不定期だった開催日を月曜日に定例化した。月曜に決めたのは、現車オークション会場の開催が少なかったからだ。また、セリは2レーンで行ない、例え成約しても流れても、1台当たりの時間を2分間に固定した。こうすることで、希望する出品車のセリ時刻が前もって正確に分かるようになっている。

――得意のIT技術を採り入れた
中谷 手持ちのパソコンで、出品車のスローや再セリ、売切りスタートも可能だ。現車会場と同じ、すべての調整機能を持たせた。さらに商談もチャットで行なえ、『いくらで売ってくれるか』を選択形式でスピーディーに進められるようにした。

――出品車の査定は
中谷 我々の開発した査定アプリケーション「UIS」を使って、会員自身に行なってもらう。画面上に必要項目を入力するだけなので、極端に言えば、瑕疵(かし)の見逃しさえしなければ100人がやっても、1万人がやっても同じ評価点が付くロジックが組んである。

――ネットAAは車両移動なく成約機会が拡がる
中谷 「UIS」でデータ化したら、業者間AAだけでなく、「UcarBID」内のワンプライスに出品してもらっても良い。いずれも、成約するまで費用は一切かからない。

――料金体系にも特徴が
中谷 出品料、落札料ともに無料のほか、入会金、月額費も必要ない。掛かるコストが出品者への成約手数料だけ、というのは業界初だろう。売れるまで本当にタダなのだ。さらに、評価ミスによるクレーム返却の場合は、陸送費を2万円まで補助することもやっている。

――他社にない試みが多い
中谷 当社はベンチャーなので、常に新しい提案をしていく。事業者、ユーザーの双方にとっても、選択肢を広げていくというのがコンセプト。

――現在の事業者会員数は
中谷 8000店舗まで増えた(3月現在)。そのうち、9割を小売り店が占める。

――他方、ユーザーの買取りオークションはどうか
中谷 毎日朝7時から夜7時まで開催しており、1日当たりの平均出品は多い時期では50台規模。このうち、平均で5割以上が成約している状況だ。参加事業者も右肩上がりで増えており、その中から『業者間AAを開催して欲しい』というリクエストも出てきた。信頼の証と受け止めている。

――ユーザー車の査定は
中谷 業者間AAとは異なり、すべて当社のスタッフおよび提携会社が店頭や出張で対応している。

――査定員の募集も積極的
中谷 お陰様で人が足らない(笑)。当社の査定スタッフは、車好きというよりも、『中古車流通の改革』という点に興味を持って来てくれる人がほとんど。新しいサービスの構築に喜びを見出せる人は、ぜひ、問合せして来て欲しい。

――昨年は他社との協業にも力を入れた
中谷 8月にはプレミアグループ(プレミアファイナンシャルサービス)と提携したほか、10月にカーセンサーの車両掲載システム「C-MATCH」との登録車両データを連携した。会員の利便性も高まったと思う。

――今後の目標は
中谷 事業者会員数1万店舗、そして『月曜日はユーカーパックの日』を定着させることが最初の目標だ。これまで、買取りオークションを毎日開催してきたので、事業開始から数年とはいえ十分以上の経験値はある。今後もデータの連動性を重視し、様々な自動車関連事業者に対して、色んなチャンネルを用意していきたい。



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